美丽的离别(中日版)_[日]渡辺淳一【完结】(3)

2019-03-10  作者|标签:[日]渡辺淳一

  当時の僕としては、身分不相応な洋食のAコースというのを頼み、よくわからぬままワインも注文した。

  ワイングラスにボーイが注いで去ったあと、僕達はグラスを持って乾杯した。

  「さよなら」というのは照れくさく、「じゃあ」とだけ、いったような気がする。

  そのまま食事をして、仕事のことや、寒くなってきたことを話した。

  我点了一份和我当时身份不相称的A套餐,不懂红酒的我还特意单点了一瓶红酒。

  侍应将红酒倒入高脚杯中离去之后,我们举杯gān杯。

  说“再见”有点尴尬,记忆中好像只说了“拜拜”的感觉。

  就这样边吃着东西,边聊着工作的情况、天气变冷了之类的话题。

  その数日前に、西の手稲山には、すでに初雪が振っていた。

  そうした話をしている分には、二人は普段と変わらず落ち着いていた。はたから見ると、仲睦まじい恋人同士が食事をしているように見えたかもしれない。

  僕はふと、このまま二人は淡々と別れるかもしれないと思った。

  この二人の状態が少しずつおかしくなってきたのは、食事が終わりかけ、ワインのボトルを一本飲みgānしたころからだった。

  お酒に弱い彼女は目のあたりを軽く染め、僕も少し気が大きくなっていた。

  洋食のコッスが終わったところで、私たちは立ち上がった。

  初めの予定では、レストランを出て、そのまま別れるつもりだった。そうすることは、彼女も納得していた。

  だが、外へ出ると風が冷たかった、一瞬、私はこのまま別れるのは、少し酷なような気がした。

  それは彼女のためだけでなく、僕自身にも淋しすぎる。

  几天之前,西边的手稲山下了第一场雪。

  就在这样对话着,和两个人平时没两样地放松着自己。就这么看,就像是一对很要好的情侣在吃饭一样。

  我突然想到,也许这样继续下去,可能两个人也会淡淡地分开也说不定。

  在两个人快要吃完的时候,我们俩的气氛稍起了些变化,我们把剩下的酒一饮而尽。

  酒量尚浅的她已眼神迷离,脸颊微红。

  吃完了全套西餐,我们站起来准备离去。

  最初的约定是走出餐厅,就这样分别的。这样做,她也能接受吧。

  但是,走到外面风chuī着挺冷的,有那么一瞬,我觉得就这样分开,是不是有点太残酷了。

  这也不仅是对于她,对于我来说也太寂寞了。

  「ちょっと、もう一軒だけ飲みに行こうか」

  僕が言うと、彼女は素直にうなずいてくれた。

  枯葉の舞いだした舗道を歩きながら、僕は「もう一軒行くのは、風が冷たいからで、別れたくない彼ではない」と自分にいいきかせた。

  別れるはずの女性と、いつまでも一緒にいる理由を、風や寒さのせいにするのは卑怯かもしれないが、実際、そのときはそうだと思いこんでいた。

  だが、そう言い訳することが、すでにおかしかったのかもしれなかった。

  もう一軒のバーに行き、飲んでいるうちに僕は次第に気持ちが和らんできた。

  今日で最後だという、悲愴な気持ちが薄れ、まだまだこれからも一緒にいるような錯覚にとらわれてきた。

  今何故、別れなければならないのか、その根拠さえ疑わしくなった。

  それは彼女も同じらしかった。

  酔って、いつの間にか、僕の肩に頭を寄せている。

  “稍微再去喝一杯吧?”

  我这么说着,她直率地点了点头。

  走在枯叶纷飞的辅道上,我暗自思忖着“再去喝一杯,是因为风太冷了,并不是不想分开”。

  本应分开的女性,总是以寒风之类的为由,找借口在一起,这样子可能很卑鄙,但是其实那个时候就是那么想的。

  但是,找这样一个借口本身可能已经很奇怪了。

  去了再喝一杯的酒吧,喝着喝着,我的心情也逐渐缓和了下来。

  一想到今天是最后一次见面,总觉得有些悲伤,竟然产生了以后还能在一起的错觉。

  如今为何非要离别不可,已经开始怀疑离别的缘由了。

  这一点她也一样。

  她醉了,不知何时将头枕到了我的肩上。

  やがて、二軒目の店を出ると十時だった。

  風は相変わらず冷たい。その北風に触れて、僕は改めて、今日彼女と別れるために会ったことを思い出した。

  僕達は、一通りの少なくなった裏小路を並んで歩き、表通りに出たところでタクシーを拾った。

  「送っていこう」

  K子はしばらく僕の顔を見てからうなずいた。

  不久,从第二场的店内走出来的时候,已是十点钟了。

  风还是一样的冷。chuī着这样的北风,我再一次想起来,今天是为了和她分手而来。

  我们在一条人迹稀少的小路上并排着走着,通到了大路上,拦了一辆的士,“我送你。”

  K子稍稍看了我一下,点点头。

  繁華街から彼女のアパートまでは、車で十五、六分の距離だった。

  広い通りを左へ曲がり、薬屋の角を右へ曲がったところが彼女の家である。そこへ着いたら、僕はもう永遠に別れなければならない。

  車が停まったら、男らしくきっぱりと分かれよう。

  そう思いながら、タクシーが彼女のアパートの前に着いたとき、僕はまるで別のことを言った。「ちょっと、寄っていい?」

  「降りるの?」

  僕はうなずくと、すぐお金を払って、あとを追った。

  そのまま、K子の部屋へ行く。

  从闹市区到她所住的公寓,要十五、六分钟的车程。

  走过宽敞的大马路,左拐进曲折的小巷中,再在药店处右转后就是她家住的地方。到了那里的话,我就不得不要和她永远的离别了。

  等车停下来了,就像个男人样的慡快的分开算了。

  正这么想着,等的士停在她公寓前时,我说了完全不同的话,“可以稍微呆一会吗?”

  “要下来吗?”

  我点着头,很快付了钱,然后追上了她。

  就这样,向着K子的房子走去。

  ドアを開けてはいると、部屋の中は暗くてひんやりとしていた。窓際にある机の上の置物が、闇の中にぼんやりと浮き出ていた。

  僕は、こんなところにK子を一人で帰すのは可哀想だと思った。やっぱり家までついてきてよかった。

  「コーヒーがいい、それともお茶?」

  「お茶をもらう」

  僕達はまた、今までと同じように、小さな座卓に向かい合って坐った。

  八畳とダイニングキッチンの部屋には、ガスストーブがつき、暖かさが部屋に満ちてきた。


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