美丽的离别(中日版)_[日]渡辺淳一【完结】(2)

2019-03-10  作者|标签:[日]渡辺淳一

  《美しい别れ》翻译——《美丽的离别》

  別れに、美しい別れというものがあるものだろうか。

  かつて僕自身別れを経験し、また人々の別れを見たり聞いたりするうちに、美しい別れというものが分からなくなった。

  はたして美しい別れというのは、本当に別れであろうか。

  別れというのは、そんなに美しく、きれいごとなのだろうか。

  自分自身に問いかけたとき、かつて一人の女性との別れが頭に甦ってくる。

  その女性のなを、k子とする。

  对于离别来说,被称作美丽的离别是那样一种东西吧。

  即使我曾经经历过离别,也或听或见的感受过人们离别的故事,然而对于所谓的美丽的离别仍不甚明白。

  难道真的是无论什么离别都能称作美丽的离别吗?

  离别这种东西,真的是那么美好而又美丽的事情吗?

  在自己问自己这个问题的时候,过去和一位女性的离别,浮现在我脑海中。

  那位女性的名字,就叫K子吧。

  まだ、医者になりたてのころだったが、私はk子を好きだった。

  職場も近かったし、付き合って一年後から体の関係もあった。彼女のアパートに泊ったこともある。

  このころになると、好きというより、愛しているという言葉が当たっている。

  いや、愛している、という言葉でも足りないかもしれない。

  男と女の行き着く、一つの業のようなところまで逹していた、とでもいうべきかもしれない。

  このk子と、僕は別れた。

  还是在刚当上医生那阵子的时候,我喜欢着k子。

  两个人的工作单位也很近,开始jiāo往一年后,便有了身体上的关系。也曾在她的公寓留宿过。

  这阵子的情况,与其说是喜欢,不如说是我爱着她。不,即使是用“爱”这样的言语也不足以表达。

  但是,我们俩已经走到头了,或者这样说,我和她之间似乎已经达到了男女之间某种罪恶的尽头似地。

  我和这位K子分手了。

  別れるに至った理由は、ここでは触れない。それは互いの事情とわがままも重なっている。彼女は僕に未練が会ったが、それ以上に、私は彼女に未練があった。別れの瞬間の事情から言えば、彼女のほうがむしろさばさばしていた。

  だが、それは別れが一つの既定事実になってからのことで、それまでは互いに恨み、苦しんだ。

  青chūnのもつ突拍子もない大胆さと、アンニュイが別れを一層複雑にした。

  とにかく、ここで別れるに至った事情を説明しても仕方がない。

  それは当事者にとっては深刻でも、第三者には他愛無いことであったり、過去として見ると、つまらないことであったりする。

  分手的理由,在这里就不提了。无非是各有各的理由再加上彼此对对方任性造成的。她对我尚有留恋,而我对她,也仍存有留恋。就分手那一刻而言,反而是她显得更gān脆些。

  但是,从离别已成为既定事实那一刻起,我们就开始互相怨恨着,痛苦着。

  背负着青chūn时特有的大胆和厌倦感,更使得离别蒙上了一层复杂的氛围。

  事已至此,似乎已不得不说明导致分手的原因了。

  即便这对于当事者而言是深刻的,但在旁人的眼光中也许是件毫无意义的事,作为往事,也很无聊。

  相爱,只对当事者而言是有意义的,对于他人无论如何说明都是徒劳的。

  愛のもつれは、当事者だけのものであり、それ以外の人に説明すべきことでもない。

  それに、別れの理由を述べるのが、本稿の目的でもない。

  問題は「別れ」そのものである。

  とにかく、そんなわけで、僕達は別れることになった。それが互いのために最良で、好ましい形だと考えたからである。

  相爱,只对当事者而言是有意义的,对于他人无论如何说明都是徒劳的。

  然而,阐述分手的理由,并不是本篇的目的。

  问题在于“离别”本身。

  总之,因为那样的原因,我们分手了。那是对于双方最好的,也是最有利的考量。

  だが、心では決めたが、実際はそうきっぱりはいかなかった。

  「別れよう」というのは一つの決意で、私のすべてが納得したことではなかった。

  少し大袈裟に言えば、頭では納得していたが、体まで納得したわけではない。

  いっとき、私は自分のなかに、二人の自分がいるような気がした。

  K子と別れようとしている自分と、別れたくないという自分、二人がせめぎあい葛藤していた。相対するものが、自分のなかを駆け巡っていた。

  互いに別れると決めてからも、僕達は何度か会った。

  但是,要下定决心,实际上并不是那么gān脆就能做到的。

  就一个“分手吧”这样的决定,我不能完全接受。

  稍微夸张点儿说,虽然我思想上可以接受,但行为上仍接受不了。

  一时间,我觉得我身体里,有两个自己一样。

  和k子离别的自己,以及不想和k子离别的自己,各执一辞,纠结在了一起。在自己体内,不断地纷扰徘徊。

  虽然已经决定分手了,但我们还是见了好几次面。

  初めは十月の末で、北国の秋はすでに終わりかけていた。

  僕は紺のコートを着て、彼女は白いフードつきのレインコートを着ていた。

  その夜、僕達は行きつけの喫茶店で会い、それから街のレストランへ行った。

  「スコット」といって、札幌では比較的高級なレストランだった。

  そこで食事をしながら、僕達はこれっきりで別れるつもりだった。

  事実、その前に、別れることに話がついて、最後の食事をしようと約束していた。

  当時、僕は無給で、二人で飲んだり食べたりするお金は割り勘だった。

  だが、その夜だけは僕がおごることにした。

  二人の最後の夜くらい、自分でおごりたかったし、三年余りにおよぶ彼女の好意への、お礼の気持ちもあった。

  最初是在十月底,北国的秋天业已过去。

  我穿着一件藏青色外套,她则是白色卫衣外套一件雨衣。

  那夜,我们去了常去的咖啡厅见面,之后沿街去了一家叫“SCOT”的餐厅,在札幌算是比较高级的西餐厅了。

  在那儿吃了饭,我们本想就这样告别了。

  事实上,在这之前,我们就约定好了,最后吃一餐饭就算分手了。

  当时,我还没有收入,两人一起时吃饭喝酒之类的事都是各付各的。

  但是,只有那夜是我请的。

  至少两个人最后的晚上,自己来请一顿吧,也是作为三年来对她的好意的回礼和感激。


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